第2回長崎がん術後QOL・リンパ浮腫研究会
本日は、長崎がん術後QOL・リンパ浮腫研究会というリンパ浮腫に関心をお持ちの医療者の集まりに参加させて頂きました。
久しぶりに臨床の生のお話を聞けて、関心しきりでした。
その方にあったバンデージを手作りしたり、希少症例提示してベストなケアを模索されたり、日々丁寧にケアに当たっている医療者の皆さんの姿に心打たれます。
参加させて頂きありがとうございました。
次回は私も発表させて頂けるとのことで、18年に発表した研究を提示させていただこうと思います。
リンパ浮腫の測定にはいろんな方法、ツールがあるのですが、一つでなく複数を組み合わせて診断、評価するのがよいとされています。
私が使っているツール、評価法に関しては博論に詳しく書いております。
どの方法がよりリンパ浮腫がある事実を反映するのか、また、だれでもできる方法(実行可能性)を模索した結果でもあります。
簡単な計算で、ぐんと評価の精度があがったりするので、ぜひお使いください。

周囲計測定→円錐台に換算し全体の体積を予測する方法 はリンパ浮腫研究の大家Casley Smithから学びました。
Casley-Smith J: Modern treatment for lymphoedema., 5 edn: The Lymphoedema Association of Australia.Inc; 1997.
相対的体積変化率(Relative Volume Change:RVC)はベースラインの健側上肢と患側上肢体積の非対称性と、タイムポイント間での差を考慮し、患側上肢体積の変化を観察していく方法です。
Ancukiewicz M, Miller CL, Skolny MN, O’Toole J, Warren LE, Jammallo LS, Specht MC, Taghian AG: Comparison of relative versus absolute arm size change as criteria for quantifying breast cancer-related lymphedema: the flaws in current studies and need for universal methodology. Breast Cancer Res Treat 2012; 135(1):145-152.
ちなみにこの写真のシステムは、この研究のために作成したもので、経過をグラフ化することができます。
ほかにも周囲計測定にはこちらの重り付きメジャーを使用して、メジャーのたるみすぎやひきしめすぎによる誤差をなくす工夫をしていました。

いかに誤差をなくすか、正しくその現象を表す評価をするかが重要です。
臨床、研究における評価指標については、たくさん勉強してきたので、還元できるのはとてもうれしいことです^^