労働環境と心疾患死亡リスクに関する論文

労働年齢男性の労働環境と心疾患による死亡リスクについて、NIPPON DATAを使った追跡期間20年の研究論文です。

NIPPON DATA90 Research Group (2019). Association of work situation with cardiovascular disease mortality risk among working-age Japanese men: A 20-year follow-up of NIPPON DATA90. Circulation Journal, 83(7), 1506-1513. https://doi.org/10.1253/circj.CJ-18-1067

https://keio.pure.elsevier.com/en/publications/association-of-work-situation-with-cardiovascular-disease-mortali

大規模と小規模企業の心臓疾患死亡リスクは違うのか?

年齢、ライフスタイル、心疾患リスク因子で調整し、結果、大きな企業や公的機関の労働者より小規模企業で働く正規雇用労働者は喫煙が多く、運動習慣は少なく、収縮期血圧が高いという結果でした。

心疾患死亡リスクは正規雇用者と自営業または会社役員で有意差はありませんでした。

年齢で調整した心疾患のハザード比は大規模企業の正規雇用者または公的機関の労働者に比べ2.53 (95%CI:1.12, 5.69)でした。

結論として、小規模企業の正規雇用労働者は心疾患死亡リスクが高いということです。

職場環境が生活スタイルに影響するというのは理解できますが、その逆、生活環境が職場の選択に影響する、ということもあり、どちらがより大きな要因かはわかりません。

下記のように喫煙、運動習慣の変更で心臓の状態が改善するという結果もありますし、これらの関連性は幅広く知られているところかと思います。

Smoking Cessation Program with Exercise Improves Cardiovascular Disease Biomarkers in Sedentary Women

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3163461/

小規模企業労働者でも禁煙と運動をすれば、リスクを減らせるのではないか、と考えます!