Ai国際医療研究所

英語

第27回&第28回ジャーナルクラブ報告

Starr LR, Hershenberg R, Li YI, Shaw ZA. When Feelings Lack Precision: Low Positive and Negative Emotion Differentiation and Depressive Symptoms in Daily Life. Clinical Psychological Science. 2017;5(4):613-631. doi:10.1177/2167702617694657

第27回(11月20日),第28回(12月25日)の2回をまたいで上記論文をクリティーク致しました.

感情識別能力と抑うつとの関係です.

落ち込んだ時,気分が上がらない時,もしくは楽しい時やうれしい時,その感情を詳しく見て分析していった方がいいのでしょうか?

研究自体は突っ込みどころ(クリティークポイント)は沢山ありましたが,その限界を踏まえた上で結果を読み解くと,どうやらポジティブな感情は分析しない方が余韻を楽しめてよい感情状態を保て,ネガティブな感情は反芻したり更なるネガティブ感情を呼び起こさないためにも分析した方がよいのではないか,と結論づけました.

この結果を受けて,さっそく楽しい気持ちの時は「たのし~」とそのまま楽しみ,もやっとしたときはなんでもやっとしたのか,原因を突き詰め実際にはそれがどういう感情なのかラベリングするためにその感情体験について5分間書き続けるということをやり始めました.

例えば,上司から理不尽な要求を突き付けられたとします.

その時のもやっとした嫌な感情は,悲しみなのか,無力感なのか,怒りなのか,またどうしてそのように感じたのか詳しく探求していき,同時に頭に浮かんできたアイデアを書きなぐっていきます.

自分が何を考え感じているのかを可視化すると,それ以上の嫌なメモリーや感情体験を呼び起こしたり反芻しなくて済むのです.

ネガティブな感情ほど識別(正体を知る)した方が対応しやすくなるのかもしれません.

逆にポジティブな感情は派生も反芻もウェルカムなので分析せずそのままを味わうとよいのかもしれません.

第26回JC:高齢者QOL及び情緒に対するサプリメントと運動の効果

今月のジャーナルクラブは10月31日日曜日(いつもは土曜日ですが,今回のみ日曜)13時から16時となっております.

11月は20日(土),12月以降は第4土曜日に固定予定です.

今回のジャーナルクラブは下記の内容でお送りします.

1.最新論文解説

今回は,乳がんの手術や放射線療法によって生じるリンパ浮腫(むくみ)の緩和方法についてです.

Arinaga Y, Piller N, Sato F, Ishida T, Ohtake T, Kikuchi K, et al. The 10-Min Holistic Self-Care for Patients with Breast Cancer-Related Lymphedema: Pilot Randomized Controlled Study. The Tohoku journal of experimental medicine. 2019 Feb;247(2):139-47. PubMed PMID: 30799328.

無作為化比較試験で運動,呼吸法がリンパ浮腫を緩和するかを見た結果と共に,実際にどういった方法で緩和したのかをお話します.1日10分,何のツールも専門知識も必要なく簡単に行える方法をご紹介します.

2.論文抄読

今月のクリティーク論文はこちらです.

全文公開されているので,参加者はお読みになって参加されるとより楽しいです.

Effect of exercise and nutritional supplementation on health-related quality of life and mood in older adults: the VIVE2 randomized controlled trial

高齢者のQOLと情緒に対する運動とサプリの効果について無作為化比較試験を行った研究です.

VIVE2(The vitality, independence, and vigor in the elderly 2 study)研究,スウェーデン,アメリカでの共同研究の報告の一部になります.

その他のVIVE2研究の結果もかいつまんでお話させて頂きます.

気分ムラは高齢者じゃなくても起こりますし,人生に大きく影響を与えますね.

この気分ムラについて文献検索を行っていて見つけた研究です.

内容も面白いのですが,最近系統的レビューで吟味するバイアスに関わりがあるペーパーでもあるので,採用しました!

参加者の皆様とまたワイワイクリティークすることを楽しみにしております.

【参加方法】

下記アンケートを記載、入金確認後にZoomアドレスと詳細をお送りします.

料金  3000円(学術論文の読み方講座受講済みの方は半額クーポンをお渡ししております)

予約とお支払い

アンケート

※※※※※※※※※※
【ジャーナルクラブについて】
Ai国際医療研究所では,月に1回英語の学術論文を持ち回りで読む抄読会,ジャーナルクラブを行っています.
参加者の背景は様々,それぞれが興味をもった生活や仕事に役立つ,信頼性の高い論文(RCT、系統的レビュー等)を持ち込み,クリティーク・批判的吟味・議論をしております.
複数でディスカッションすることで,わからないところを聞きあったり,知識を補完したりでき,一人で読むよりずっと理解が深まります.
研究論文の向こうにあるドラマを想像したりするのも楽しいです.
ジャーナルクラブは以下のような方におすすめです.
・扱う研究内容に興味がある方
・英語論文に慣れたい方
・学術論文の読み方,クリティークを勉強したい方
・大学院進学を予定されている方
・ジャーナルクラブがない研究室に所属している方
・仕事や生活で根拠を必要とする方
・信頼性の高い情報の取得の仕方を学びたい方
・医療関係者
・メディア関係者
・講師
・美容健康関連の方
・本会に関心がある方

参加者は持ち回りで英語論文を読みます.
担当以外も各自当該論文を読んで理解し、クリティーク、討議に備えて下さい.
*聞くだけのオーディエンス参加も可能です。
ZOOM参加のオーディエンスの方は、ビデオオフでも構いませんが,たまに話しかけます(笑)
オフラインはツナグバサンカクで行います.
オンラインでも、どちらでもお好きな方をお選び下さい。

第25回ジャーナルクラブ報告

今回はツナグバサンカクさんでオフライン+オンラインで実施致しました!そして,ツナグバサンカクの金子さんが司会をして下さって,自分の視野が少し広がり,本当に助かりました.

1.最新論文解説
今回は以前話題になった新型コロナに対するうがいの効果について,新しい論文を紹介しました.

Seneviratne CJ, Balan P, Ko KKK, Udawatte NS, Lai D, Ng DHL, et al. Efficacy of commercial mouth-rinses on SARS-CoV-2 viral load in saliva: randomized control trial in Singapore. Infection. 2021 Apr;49(2):305-11. PubMed PMID: 33315181. Pubmed Central PMCID: 7734110.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33315181/


昨年イソジンうがいがよい,と大阪の方が言ったために,市場からイソジンが消えたということにありましたね!

今回の論文はイソジン,クロルヘキシジン,水うがいで口腔内の新型コロナウィルス量は減るか?です.

クロルヘキシジン,イソジン,よい結果を出していますね!

限界のある研究ですので,さらによいデザインで大規模試験が必要だと思われますが,効果のある薬剤を使ったうがいは人への感染リスクを下げる可能性はあるので,私もやってます.うがい研究は小さいのがいくつか出ていますが,本当の結論は系統的レビューまちです.

さらに,前説では最高レベルのエビデンスを提供する無作為化比較試験の系統的レビューとメタアナリシスについてちょっとだけ解説しました.

Publication biasの見方や,heterogeneityを表す値の見方など解説させて頂きました.

1回でわかるなんてことはないですが,何度も聞いていると,そういえば~ってことが多くなり,理解できるようになります!

2.論文抄読
クリティーク論文はこちらでした!

Borland R, Li L, Balmford J. The association between the nature of the goal committed to and quitting smoking. Health education research. 2017 Dec 1;32(6):546-54. PubMed PMID: 29112754. Epub 2017/11/08. eng.
全文DLリンクはこちら.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29112754/

禁煙と禁煙開始時の目標の在り方の相関をみた研究で,クリティークが盛り上がりました!

RCTの付帯研究っぽくみえるのですが,途中で思いついてやり始めたのか?って感じで沢山突っ込みが入りました.

ファーストオーサーは高名な,この分野のベテランさんなので,きっと大人の事情があったんでしょう.

なんでこの研究したんだろう??って根本的なことから皆で考え,どんな研究だったらよかったか,を話し合いました.

どんな研究も限界があるし,価値があります.

一本読み切ると,その研究者が何年もかけて積み上げた知識を体験でき,自分がこの研究をどう活かしていくのか,深いところまで味わうことができます.それがいつも楽しいです.

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【ジャーナルクラブについて】
Ai国際医療研究所では,月に1回英語の学術論文を持ち回りで読む抄読会,ジャーナルクラブを行っています.
参加者の背景は様々,それぞれが興味をもった生活や仕事に役立つ,信頼性の高い論文(RCT、系統的レビュー等)を持ち込み,クリティーク・批判的吟味・議論をしております.
複数でディスカッションすることで,わからないところを聞きあったり,知識を補完したりでき,一人で読むよりずっと理解が深まります.
研究論文の向こうにあるドラマを想像したりするのも楽しいです.
ジャーナルクラブは以下のような方におすすめです.
・扱う研究内容に興味がある方
・英語論文に慣れたい方
・学術論文の読み方,クリティークを勉強したい方
・大学院進学を予定されている方
・ジャーナルクラブがない研究室に所属している方
・仕事や生活で根拠を必要とする方
・信頼性の高い情報の取得の仕方を学びたい方
・医療関係者
・メディア関係者
・講師
・美容健康関連の方
・本会に関心がある方
【参加方法】
下記アンケートを記載、入金確認後にZoomアドレスと詳細をお送りします.
https://forms.gle/tHsHY3PMpGZcicbq8
参加者は持ち回りで英語論文を読みます.
担当以外も各自当該論文を読んで理解し、クリティーク、討議に備えて下さい.
*参加しない、聞くだけも可能です。
オーディエンスの方は、Zoomで名前、ビデオオフでも構いません。
オフラインはツナグバサンカクで行います.
オンラインでも、どちらでもお好きな方をお選び下さい。

学術論文の読み方講座を受講し基礎的な知識を身に着けることをお勧めしています.講座についてはこちらをごらんください。
https://ai-medical-ri.com/academicpaper/
【料金】
3000円
アンケートを頂いた方に支払い方法をお知らせします。
学術論文の読み方講座を受講された方は半額クーポンをお渡ししています。


第25回ジャーナルクラブ

今回のジャーナルクラブは下記の内容でお送りします.


1.最新論文解説


今回は以前話題になった新型コロナに対するうがいの効果について,新しい論文を紹介します.
また,最高レベルのエビデンスを提供する無作為化比較試験の系統的レビューとメタアナリシスについて解説します.


2.論文抄読


今月担当者が鋭意選択中!


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【ジャーナルクラブについて】
Ai国際医療研究所では,月に1回英語の学術論文を持ち回りで読む抄読会,ジャーナルクラブを行っています.
参加者の背景は様々,それぞれが興味をもった生活や仕事に役立つ,信頼性の高い論文(RCT、系統的レビュー等)を持ち込み,クリティーク・批判的吟味・議論をしております.
複数でディスカッションすることで,わからないところを聞きあったり,知識を補完したりでき,一人で読むよりずっと理解が深まります.
研究論文の向こうにあるドラマを想像したりするのも楽しいです.
ジャーナルクラブは以下のような方におすすめです.
・扱う研究内容に興味がある方
・英語論文に慣れたい方
・学術論文の読み方,クリティークを勉強したい方
・大学院進学を予定されている方
・ジャーナルクラブがない研究室に所属している方
・仕事や生活で根拠を必要とする方
・信頼性の高い情報の取得の仕方を学びたい方
・医療関係者
・メディア関係者
・講師
・美容健康関連の方
・本会に関心がある方
【参加方法】
下記アンケートを記載、入金確認後にZoomアドレスと詳細をお送りします.
https://forms.gle/tHsHY3PMpGZcicbq8


参加者は持ち回りで英語論文を読みます.
担当以外も各自当該論文を読んで理解し、クリティーク、討議に備えて下さい.
*参加しない、聞くだけも可能です。
オーディエンスの方は、Zoomで名前、ビデオオフでも構いません。
オフラインはツナグバサンカクで行います.
オンラインでも、どちらでもお好きな方をお選び下さい。

【料金】
3000円
https://nagasaki-wellness.com/nw_program/eventtop/

【臨時開講】2回目の2021年度学術論文の読み方講座

今年の学術論文の読み方講座は㋈に終了したのですが,新たな参加希望を頂き,臨時開講いたします.
オンライン・オフライン(長崎市内)お好きな方で,匿名参加もできます.


1回目で基礎を学び,2回目で日本語論文,3回目で英語論文を使ったクリティーク(批判的吟味)をみんなで実践します.

3日間,各3時間,料金は税込15,000円です.

申込は下記サイトのボタンから必要事項を記載してください.


過去受講者は無料で参加できます.


1回目(3時間) 論文の選び方、検索の実際
11月6日(土)13時~16時
・自己紹介、読みたい論文について
・論文の種類
・論文検索と読む順番
・検索に必要なパワーワード
・学術サーチエンジンを使ってみよう


2回目 3時間 論文クリティークの実際・日本語論文クリティーク
11月13日(土)13時~16時
受講者はこちらを読み,当日のクリティークに備えてください(全文ダウンロードできます).

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jph/65/8/65_17-064/_article/-char/ja/


3回目 3時間 英語論文クリティーク
11月27日(土)13時~16時
受講者はこちらを読み,当日のクリティークに備えてください(全文ダウンロードできます).

https://bmcpsychiatry.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12888-018-1840-6

講座を受けた方は毎月のジャーナルクラブ料金が半額になります.ジャーナルクラブでは持ち回りで英語論文を抄読しています.詳しくはこちらをご覧ください.
https://ai-medical-ri.com/academicpaper/

読解力向上×原爆症×BL消費動機研究を読み解く

24回目月例ジャーナルクラブを開催いたしました.

ジャーナルクラブは万人にとって面白い訳ではないと思います.一握りの人が楽しめる娯楽だなと思います.

ジャーナルクラブで感じる興奮や達成感って,謎解きゲームの感じに似てるなぁと思います.紐解いていって,真実を見つけ,腑に落ちた時の感じです.

今回新規オーディエンスの方たちは,面白い,自分で論文を読みたいといっていただき嬉しかったです.

信頼性の高い情報はまた聞きではなく,自分で取りに行かないと手に入らないものなので,こういう方々が社会に増えると情報・科学リテラシーが高まると思います.

さて,今回の研究紹介コーナーはこちら

1.最新論文解説

以下の論文2点を解説しました.検索すればだれでも読めますので関心がある方は読んでみて下さい.

Ozasa K, Grant EJ, Kodama K. Japanese Legacy Cohorts: The Life Span Study Atomic Bomb Survivor Cohort and Survivors’ Offspring. Journal of Epidemiology. 2018;28(4):162-9.

被爆者とその子供たちのコホート研究総説

Zsila A, Pagliassotti D, Urban R, Orosz G, Kiraly O, Demetrovics Z. Loving the love of boys: Motives for consuming yaoi media. PLoS One. 2018;13(6):e0198895. PubMed PMID: 29902228. Pubmed Central PMCID: 6002055.

ボーイズラブ消費動機に関する相関研究とツール開発

原爆コホート研究は,原爆症認定が話題になっていますが,申請が却下される要件ってなんだろう,という疑問から読み始めました.

被爆者,胎内被ばく者,被爆2世はどんな病気になり,それは被ばくしていない人たちと違うのか,ということが焦点になります.

こういった研究が,原爆症認定の要件につながっているので,関心のある方はぜひ,読まれてみて下さい.

被爆2世の方は,いまのところ,一般の人たちとかわらない,という結論なのですが,この人たちが高齢になれば結果は変わる可能性があります.ひきつづき,追跡調査をする必要があります.

次はBL消費動機に関する研究です.

ハンガリーでもBLは人気のようで,なぜBLを読む,見る,創作するのかを量的に解析した研究です.質的研究はあるのですが,珍しいです.

この研究はポルノ消費に関する大きな研究の一部であり,参加者のうち,1年以内にBLを見た人たちが対象となっています.

このメイン研究に引っ張られているため,参加者の半分は男性であり,実際にBLを消費する母集団を反映しているとはいえない,ということを前提に読み解いていきました.

当然ながら,性別,性志向によってBL消費動機は異なる,という結果です(笑)

消費者のニーズにマッチするために,どんなものを提供すればよいか,を示唆する面白い研究でした.

また,ジャーナルクラブで聞いたことない専門用語?が飛び交い面白かったです.やおいって何十回いったかなー(笑)

こういう変わり種の論文をまた見つけて読みたいと思います.

2.論文抄読(クリティーク)

Dodick D, Starling AJ, Wethe J, Pang Y, Messner LV, Smith C, et al. The Effect of In-School Saccadic Training on Reading Fluency and Comprehension in First and Second Grade Students. Journal of child neurology. 2017 Jan;32(1):104-11. PubMed PMID: 28257277. Epub 2017/03/04. eng.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28257277/

今回のクリティークは読解力向上の無作為化比較試験でした.
この介入プログラムは介入自体が面白かったです.

目を素早く動かして,順番に数字を読んでいくだけなのですが,これが,読みの流暢性と読解力向上に効果があるかという研究でした.詳しくは上記論文をお読みください.

効果があるし面白いし,簡易性があるので,学校,特に読解力に差がつく前の小学校低学年でぜひ取り入れてほしいです.

なんたって,最も効果を見せたのは,学習障害がありそうな子たちでした.

利益相反がバリバリありそうなのと,研究に卓越した著者ではなさそうなので,解釈には注意を要しますが,ほかの研究もこの結果は支持できるものと考えます.

訓練は簡単で,このようなシートに書かれた数字を左から右素早くに音読していくだけです.段階があり,だんだんハードモードになります.

読解力向上訓練

詳しくは論文を参照してください.

次回のジャーナルクラブは9月25日,オンラインまたはオフライン(ツナグバサンカク)参加が可能です.

参加希望の方は下記をご覧いただき,申込をお願い致します.

※※※※※※※※※※
【ジャーナルクラブについて】
Ai国際医療研究所では,月に1回英語の学術論文を持ち回りで読む抄読会,ジャーナルクラブを行っています.
参加者のデモグラは様々,それぞれが興味をもった生活や仕事に役立つ,信頼性の高い論文(RCT、系統的レビュー等)を持ち込み,クリティーク・批判的吟味・議論をしております.
複数でディスカッションすることで,わからないところを聞きあったり,知識を補完したりでき,一人で読むよりずっと理解が深まります.
研究論文の向こうにあるドラマを想像したりするのも楽しいです.
ジャーナルクラブは以下のような方におすすめです.


・扱う研究内容に興味がある方
・英語論文に慣れたい方
・学術論文の読み方,クリティークを勉強したい方
・大学院進学を予定されている方
・ジャーナルクラブがない研究室に所属している方
・仕事や生活で根拠を必要とする方
・信頼性の高い情報の取得の仕方を学びたい方
・医療関係者
・メディア関係者
・講師
・美容健康関連の方
・本会に関心がある方

【参加方法】


下記アンケートを記載、入金確認後にZoomアドレスと詳細をお送りします.
https://forms.gle/tHsHY3PMpGZcicbq8
参加者は持ち回りで英語論文を読みます.
担当以外も各自当該論文を読んで理解し、クリティーク、討議に備えて下さい.
*参加しない、聞くだけも可能です。
オーディエンスの方は、Zoomで名前、ビデオオフでも構いません。
学術論文の読み方講座を受講し基礎的な知識を身に着けることをお勧めしています.講座についてはこちらをごらんください。
https://ai-medical-ri.com/academicpaper/


【料金】


3000円
アンケートを頂いた方に支払い方法をお知らせします。
学術論文の読み方講座を受講された方は半額クーポンをお渡ししています。

第24回ジャーナルクラブ 読解力向上実験×原爆症コホート×BL消費動機相関研究

第24回ジャーナルクラブは下記のとおり行います.

2021年9月4日(土)13時~16時

オンライン&オフライン:松山ミーティングポイント

料金:講座受講済みの方1,500円,オーディエンス3,000円

予約決済後,こちらのアンケートもお願いします.
https://forms.gle/tHsHY3PMpGZcicbq8

1.最新論文解説

以下の論文2点を解説します.

Ozasa K, Grant EJ, Kodama K. Japanese Legacy Cohorts: The Life Span Study Atomic Bomb Survivor Cohort and Survivors’ Offspring. Journal of Epidemiology. 2018;28(4):162-9.

被爆者とその子供たちのコホート研究

Zsila A, Pagliassotti D, Urban R, Orosz G, Kiraly O, Demetrovics Z. Loving the love of boys: Motives for consuming yaoi media. PLoS One. 2018;13(6):e0198895. PubMed PMID: 29902228. Pubmed Central PMCID: 6002055.

ボーイズラブ消費動機に関する相関研究とツール開発

2.論文抄読(クリティーク)

実際に販売されているプログラムのRCTです

Dodick D, Starling AJ, Wethe J, Pang Y, Messner LV, Smith C, et al. The Effect of In-School Saccadic Training on Reading Fluency and Comprehension in First and Second Grade Students. Journal of child neurology. 2017 Jan;32(1):104-11. PubMed PMID: 28257277. Epub 2017/03/04. eng.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28257277/

読解力向上の無作為化比較試験です.
私も読解力が落ちている気がするので,研究をもとに訓練してみたいと思います!

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【ジャーナルクラブについて】
Ai国際医療研究所では,月に1回英語の学術論文を持ち回りで読む抄読会,ジャーナルクラブを行っています.
参加者のデモグラは様々,それぞれが興味をもった生活や仕事に役立つ,信頼性の高い論文(RCT、系統的レビュー等)を持ち込み,クリティーク・批判的吟味・議論をしております.
複数でディスカッションすることで,わからないところを聞きあったり,知識を補完したりでき,一人で読むよりずっと理解が深まります.
研究論文の向こうにあるドラマを想像したりするのも楽しいです.
ジャーナルクラブは以下のような方におすすめです.
・扱う研究内容に興味がある方
・英語論文に慣れたい方
・学術論文の読み方,クリティークを勉強したい方
・大学院進学を予定されている方
・ジャーナルクラブがない研究室に所属している方
・仕事や生活で根拠を必要とする方
・信頼性の高い情報の取得の仕方を学びたい方
・医療関係者
・メディア関係者
・講師
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【参加方法】
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参加者は持ち回りで英語論文を読みます.
担当以外も各自当該論文を読んで理解し、クリティーク、討議に備えて下さい.
*参加しない、聞くだけも可能です。
オーディエンスの方は、Zoomで名前、ビデオオフでも構いません。
学術論文の読み方講座を受講し基礎的な知識を身に着けることをお勧めしています.講座についてはこちらをごらんください。
https://ai-medical-ri.com/academicpaper/
【料金】
3000円
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学術論文の読み方講座を受講された方は半額クーポンをお渡ししています。

2021年度学術論文の読み方講座

一緒に英語論文を読みましょう

英語論文を読みとけるようになるには?

メンタリストさんの影響もあり,最近「ちゃんとした研究論文」を根拠に求める風潮が高まっております。

「どれが本当の情報なのか?」

多くの人が新型コロナインフォデミックで情報に惑わされ,不安になったことがあるのではないでしょうか.

思い込みやデマ情報に惑わされず,真偽を見抜くためにはOriginal article,原著論文を読み解くスキルが役立ちます.

今年も以下の日程,3回シリーズで学術論文の読み方講座を開催します.オンライン・オフライン(長崎市内)お好きな方で,匿名参加もできます.

1回目で基礎を学び,2回目で日本語論文,3回目で英語論文を使ったクリティーク(批判的吟味)をみんなで実践します.

料金は税込15,000円です.

1回目(3時間) 論文の選び方、検索の実際

8月21日(土)13時~16時

・自己紹介、読みたい論文について
・論文の種類
・論文検索と読む順番
・検索に必要なパワーワード
・学術サーチエンジンを使ってみよう

2回目 3時間 論文クリティークの実際・日本語論文クリティーク

8月28日(土)13時~16時

3回目 3時間 英語論文クリティーク

9月5日(日)13時~16時

講座を受けた方は毎月のジャーナルクラブ料金が半額になります.ジャーナルクラブでは持ち回りで英語論文を抄読しています.詳しくはこちらをご覧ください.

研究者、大学院生、大学院を目指す方たちはもちろん、自分のビジネスに根拠を求める方、ぜひ、学術論文の読み方講座にご参加ください!

論文が日常に取り入れられるようになると、人生が変わります。

よい習慣を身に着け維持するためには?

2021年5月29日(土)、定例ジャーナルクラブでした。

今回は前説はインフォデミックに関する論文、どんな人がデマ情報を信じやすいか、その対処は?という論文を読んでいます。

 「Covid-19 インフォデミック -誤情報に対する疫学モデル応用」

Scales, D., Gorman, J., & Jamieson, K. H. (2021). The Covid-19 Infodemic — Applying the Epidemiologic Model to Counter Misinformation. New England Journal of Medicine. https://doi.org/10.1056/NEJMp2103798

スライドの一部を公開しますので、みてみてくださいね^^

アメリカのインフォデミック例、興味深いです。日本ではここまで有力者がインフォデミックのトリガーになったということはなかった気がします。

陰謀論(笑)、予防行動やワクチン抵抗性に関する相関研究では、陰謀説信じている度合いの高い人は予防措置(マスク等)やワクチンへの抵抗感が高いかもしれないと示唆しています。

詳しくはこちらをおよみください。

Romer, D., & Jamieson, K. H. (2020). Conspiracy theories as barriers to controlling the spread of COVID-19 in the U.S. Social Science & Medicine, 263, 113356. https://doi.org/https://doi.org/10.1016/j.socscimed.2020.113356

今回のジャーナルクラブはこちらの論文でした。

Kwasnicka, D., Dombrowski, S. U., White, M., & Sniehotta, F. (2016). Theoretical explanations for maintenance of behaviour change: a systematic review of behaviour theories. Health Psychol Rev, 10(3), 277-296. https://doi.org/10.1080/17437199.2016.1151372

ABSTRACT
背景:行動変容介入は、「一時的」な行動変容を達成するための支援として有効である。しかし、行動変容の「維持」はほぼ達成されない。本レビューの目的は、将来の研究及び実践に役立つよう、行動変容維持に関する現在の理論的説明を特定し、統合することである。
方法:関連する可能性のある理論を電子データベース(Ovid MEDLINE、Embase、PsycINFO)を系統的に検索し特定した。加えて、80の理論からなる既存のデータベースを検索し、25人の理論専門家に意見を求めた。行動変化の維持に関する仮説が記載されたもののみ理論として選択した。選択された理論は、行動変化維持に関する包括的説明を特定するためにテーマ別に統合された。初期の理論的テーマは相互検証された。
結果:117の行動理論が確認され、そのうち100の理論が選択基準を満たした。行動変化維持の理論的説明を代表する包括的で相互関係がある5つのテーマが浮上した。行動変化維持の理論的説明は、開始から維持までの動機、自己調整、資源(心理的および物理的)、習慣、および環境と社会の影響の異なる性質と役割に焦点を当てている。
考察: 行動変容の理論的説明と行動変容維持の理論的説明には明確なパターンがある。このレビューから得られた知見は、健康行動の維持を促進する介入の開発と評価の指針となり、行動変化維持の統合理論の開発に役立つ。

ジャーナルクラブで初めて取り扱う質的研究でした。

量的系統的レビューは読んだことがありましたが、質的系統レビューは初めてだったので、違和感があるし、読むのは大変だったと思います。

でもこれはこれで、大切な、重要な、価値がある研究です。

質的研究は、難しく深いです。

よく院生が質的研究やりたい、と言いますが、やるなら何年もかかることを、膨大な時間とエネルギーが必要であることを覚悟した方がよいです。

博士課程の時に質的研究を馬鹿にしてるドクターを見ましたが、私はちゃんとした質的研究ができる研究者は尊敬しているし、貴重だと思っています。

質的研究者は自分自身がツールです。

数字で出す方が簡単。

データアナリストも沢山育っていますし、計算するだけなら多くの人ができますが、現象を正しくとらえ、聞き取り、それを誰が見ても正しく表現することができる力のある人は少ないです。

今回の論文は丁寧に、紡ぎあげられたよい論文でした。

100本、一つ一つの文献を読み、イントロダクションも丁寧に引用を使いながら自分たちの研究の意義を語っていました。

結果は、主観が前面に出ますのでクリティークもやや厳し目になりましたが、ディスカッションできちんと研究の限界もつづられていました。

正直、私は質的研究論文は読まないのですが、久しぶりに読んだこの論文で、質的研究はやはり必要なんだと強く感じましたし、貴重な機会となりました。

だから、ジャーナルクラブは面白いんですよね・・・

次回のジャーナルクラブは6月26日です。

見学希望の方はこちらまでご連絡ください。

main@aimedicalri.com

4月30日子供の遊び場の変遷研究

本日は子供の遊び場の変遷についての論文でした

今日の前説「最新論文解説」はこちらでした。

Anderson, J. L., May, H. T., Knight, S., Bair, T. L., Muhlestein, J. B., Knowlton, K. U., & Horne, B. D. (2021). Association of Sociodemographic Factors and Blood Group Type With Risk of COVID-19 in a US Population. JAMA Netw Open, 4(4), e217429. https://doi.org/10.1001/jamanetworkopen.2021.7429

アメリカのCOVID-19リスクー社会人口統計学的因子と血液型の相関研究です。

これまで、血液型とCOVID-19感染や重症化は関係があるというものとないというもの、色々な研究報告がありましたが、2021年4月に出た本研究では大規模前向きケースコントロール研究で血液型は関係ないだろうと結論づけられておりました。

107,796サンプルにおいて、感染有無、入院有無、ICU入室有無において、血液型によって多いとか少ないとかということがなかった、ということです。

中国やイタリア、スペインの研究でA型は感染しやすい、重症化しやすいとかいう報告がありましたが、サンプルサイズや後方視的研究なので、今回の研究の方がより信頼性が高いように見えます。

ただし、地理的なもの、人種など遺伝学的な要素(血液型分布は地域や民族によって異なる)など様々な考慮すべきこともあるので、絶対ではありません。

研究は確からしい結果を求めてバイアスが入らないように、きめ細かい計画のもと、実施しますが、「絶対」はありません。

沢山のお金とエネルギーと高い能力をつぎ込んで行われた実験や調査でも、「絶対」はないので、市販の、街中にあふれるものの「効果」とか「効能」というものの実態がどんなものか、ご想像していただけたらと思います・・・。

次回の最新論文解説もCOVID-19に関連したものを選んで行いたいと思います。

次に今日の本題はこちらです。

A Study on Changes to the Form of Children’s Playgrounds in Japan by Analyzing the JILA Selected Works of Landscape Architecture.

Qing Qin , Kazuhiko W. Nakamura , Kiyotatsu Yamamoto and Akio Shimomura. Sustainability (2019)

全文はこちらにあります。

https://www.researchgate.net/publication/332338813_A_Study_on_Changes_to_the_Form_of_Children’s_Playgrounds_in_Japan_by_Analyzing_the_JILA_Selected_Works_of_Landscape_Architecture

論文を読むときに、なぜその論文を読もうと思ったか、なぜその論文を選んだのかを知ることは、その人の目的が達成できるようサポートするために必要なことです。

興味関心を満たすため、研究課題を達成するため、バックグラウンドは様々でしょうが、どの論文を読んでも無駄にはならないとはいっても、より為になる、役に立つ論文の読み方をしてほしいと思っています。

今日の担当の方は、「長崎を魅力ある街にするためには何が必要か」ということを知り、行政に提案したいという熱い思いを持っておられます。

わたしたち、Ai国際医療研究所やNagasaki Wellness、Navigate Nagasakiと通じるところがあります・・・

長崎はいいところ、という評判の傍ら、社会的人口流出No1です。

その大半は生産人口です。

大学生たちは、卒業すると県外に就職します。

若い世代を定着させたい、という思いは同じだと思います。

提示された論文は、「遊び場の変遷」をとある造園雑誌の内容から質的量的に読み解くものでした。

「誰にとって魅力的な遊び場」なのか、という点をまずお尋ねしました。

保護者にとって魅力的な場所、というのは、保護者年代の方たちをひきつけたいので、そうなんだろう、と思います。

しかしながら、論文は公園デザイナーは子供の目線を反映して公園を作っていない、と結論づけているので、この著者にとっての魅力的な遊び場のターゲットは子供だったんだな、とわかりました。

この結論もせっかくの統計解析結果を反映していないですし、解析の対象が1造園関係雑誌のデータなので、かなり限界がありますが、先行文献の検討はとても丁寧でよかったです。

子供の遊び場や、造園についての研究は、医学研究ほどきちんとした研究方法が確立していないのかもしれません。

研究結果と結論がつながっていなくて、また、日本全体の子供の遊び場を反映した結果でもないので、今後の研究で頑張ってほしいと思います!

研究目的に沿って、丁寧にデザインされ、知りたい結果がでた一貫性のある研究は美しく、長く使われ引用されます。

そのフィールドで長く丁寧に研究してきた研究者たちの研究は、どんな本よりも読む価値があると私は思っているので、ぜひ、皆さんも学術論文、チャレンジしてみてください!

次回のジャーナルクラブ

次回読む論文は決まり次第こちらでご報告します。

日時:5月29日(土)13時~

場所:出島交流会館予定(場合によってはZOOM)

参加・見学ご希望の方はこちらをご参照ください。

申込フォームはこちらです。

https://forms.gle/5EioHs7zcNEkA6MV9